专利摘要:

公开号:WO1990011863A1
申请号:PCT/JP1990/000486
申请日:1990-04-11
公开日:1990-10-18
发明作者:Teruo Asaoka;Shougo Yoshioka;Haruki Sugiyama
申请人:Shizuoka Seiki Co., Ltd.;
IPC主号:B23H7-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 電解加工における短絡予知方法 技術分野
[0002] この発明は、 電解加工における短絡予知方法に係り、 特に加工パ ルス供給中のアークの発生を予知して、 短絡を未然に防止し、 ヮー クの焼損等を防止し得る電解加工における短絡予知方法に関する。 背景技術 - 従来、 電極に送りを与え、 ワークと微小間隙を維持させながら電 解加工を行い、 電極とワーク間に発生するスパークを検出する電解 加工における極間異常現象検出装置としては、 特公昭 5 6— 3 0 1 2 4号公報に開示のものが知られており、 また、 細線を電極として パルス電流を流すことによりワークを電解加工する電解加工の短絡 予知方法としては、 特公昭 5 7 - 2 2 6 9◦号公報に開示のものが 知られている。
[0003] ところで、 前者の異常検出装置にあっては、 スパーク発生時の電 圧降下現象と電流上昇現象とを検出して、 極間の異常現象を検出す るものである力 この装置にあっては、 異常現象であるスパークの 発生そのものを検出するため、 検出した時点において、 既にスパ一 クによりワークが焼損していることになる。 したがって、 例えば特 開昭 6 3 - 2 1 6 6 2 8号公報に開示のように、 ワークの加工面に 倣つた電極面を有する電極によって、 ワークを電解仕上げ加工する 電解加工に使用した場合、 三次元等の所望形状に加工したワークを 一瞬にして焼損させてしまうという, 仕上げ加工としては致命的な 問題点があった。
[0004] また、 後者の短絡予知方法は、 異常現象の発生そのものを検出す るのではなく、 短絡の発生を予知するものであるが、 この予知方法 にあっては、 加工パルス休止時間中における極間電圧を検出し、 正 常時にほぼ一定の値を示すが、 極間電圧が異常低下した場合には短 絡が発生するものとして、 それを予知する方法である。 したがって、 この方法では、 加工パルスの供給中に発生する短絡を予知すること はできない。 特に前記した電解仕上げ加工のように、 供給する加工 パルスのパルス幅が比較的大きい場合に、 加工パルス供給中に間隙 に生成される加工屑等により短絡が発生し、 ワークを焼損させてし まうという, 前者と同様の問題点があった。
[0005] そこでこの発明の目的は、 上述の問題点を解決し、 特に加工パル ス供給中のアークの発生を予知することにより、 短絡を未然に防止 し、 ワークを焼損させることのない電解加工における短絡予知方法 を提供せんとするにある。 発明の開示
[0006] この目的を達成するためにこの発明は、 電解液中で所定間隙で対 設した電極とワークとの極間に加工パルスを供給してワークを電解 加工するものにおいて、
[0007] 前記加工パルス供袷中の、 極間電気エネルギーの要素の異常変化 を検出すること、
[0008] この検出に基づいて前記加工パルスの供給を遮断すること、 を特 徵とするものである。 図面の簡単な説明
[0009] 第 1図はこの発明を実施するための電解仕上げ加工装置の概略構 成図、 第 2図は同要部のブロック図、 第 3図は同要部の回路図、 第 4図はこの発明の基本的な原理を説明するための波形図、 第 5図は 同等価回路図、 第 6図は他の例を示す第 4図と同様の波形図、 第 7 図はこの発明の第 1実施例を示す電圧変化判別器の回路図、 第 8図 は仕上げ加工方法の一例を示すフローチヤ一ト、 第 9図は同タイミ ングチャート、 第 1 0図は第 2実施例を示す電圧変化判別器の回路 図、 第 1 1図は同タイミ ングチャート、 第 1 2図は第 3実施例を示 す電解仕上げ加工装置の要部ブロック図、 第 1 3図は同電圧変化判 別器の回路図、 第 1 4図は同タイミ ングチャート、 第 1 5図は第 4 実施例を示す回路図、 第 1 6図は極間に短絡が発生した場合の極間 電流値波形を示す図、 第 1 7図は同仕上げ加工方法の一例を示すフ ローチヤ一ト、 第 1 8図は同作用を説明するための第 1 6図に対応 するタイミ ングチャート、 第 1 9図は第 5実施例を示す要部のプロ ック図、 第 2 0図は電流変化判別器の回路図、 第 2 1図は同作用を 説明するためのタイミ ングチャート、 第 2 2図は第 6実施例を示す 電流変化判別器の回路図、 第 2 3図は同作用を説明するためのタイ ミ ングチャート、 第 2 4図は第 7実施例を示す電圧変化判別器の回 路図、 第 2 5図は同作用を説明するためのタイミ ングチヤ一トであ る o 発明を実施するための最良の形態
[0010] 以下、 図面を参照してこの発明の一実施例を詳細かつ具体的に説 明する。
[0011] 第 1図〜第 3図はこの発明の実施に用いられる電解仕上げ加工装 置 1 を示す。 第 1図において、 電解仕上げ加工装置 1 は、 電極 2 を 固定する電極固定装置 3 , ワーク 4 を固定するワーク固定装置 5 , モー夕 6 の回転運動を往復運動に変換する駆動変換部 7 , 加工パル スを発生する電源装置 8 , へッ ド駆動制御部 9 と加工条件制御部 10 と電解液流制御部 11等からなる制御装置 12, 各種データ等を入力す る入力装置 13, 電解液を濾過する電解液濾過装置 14, 加工槽 15等か りなる。
[0012] 前記電極固定装置 3 は、 例えばその下部に設けられたロッ ド 16の 下端に、 純銅もしくはグラファィ ト等からなる電極 2 を、 その電極 面とワーク 4 の加工面とが三次元方向に一様な間隙 17を保つように 固定する。 この電極固定装置 3 は、 前記へッ ド駆動制御部 9 の制御 信号によるモータ 6 の回転により上下動し、 電極面 2aと加工面 4aと を所定の間隙 17に設定する。 また、 前記ワーク固定装置 5 は、 絶縁 性の高いグラナイ トもしくはセラミ ックス製のテーブルで、 その上 面にワーク 4 を図示しないセッ ト治具等により固定する。 なお、 第 1図中、 符号 18は間隙 17に清浄な電解液を噴出するためのノズルで ある。
[0013] 前記入力装置 13は、 ワーク 4 の材質と加工面積, 目標とする加工 量, 加工パルスの条件, 初期電極間隙等を入力し、 これらの各信号 を制御装置 12のへッ ド駆動制御部 9 及び加工条件制御部 10に出力す る。 また、 電解液濾過装置 14は、 加工で生じた電解生成物等を含む 電解液を瀘過するもので、 前記電解液流制御部 11の制御信号に基づ いて、 加工開始時に加工槽 15に電解液を供給すると共に、 加工中に 電極 2 とワーク 4 の間隙 17に生成した加工屑を排除するために、 加 ェパルスの供給毎に上昇動作する電極 2 と同期して、 該間隙 17に清 浄な電解液を前記ノズル 18を介して噴出する。
[0014] 前記電極 2 とワーク 4 との極間に、 所定の加工パルスを供給する 電源装置 8 は、 直流電源部 19と充放電部 20とで構成され、 直流電源 部 1 9は、 第 2図に示すように、 変圧器 21と整流器 22とからなり、 変 圧器 21により電圧を所定値に降下させ、 整流器 22により整流して直 流電流を得て、 後述する蓄電器 23-l〜23-nに供給する。
[0015] 第 2図を参照すると、 充放電部 20は、 極間に電荷を放電する複数 個の蓄電器 23-l〜23-nと、 これらの各蓄電器 23-;!〜 23-nに接続し直 流電源部 19側への電荷の逆流を阻止するダイォ一ド 24 - l〜24-nと、 放電側へ電荷を放電させるべく開閉される放電スィッチ 25-1〜 25-n と、 前記各蓄電器 23- l〜23-nを所定に充電すべく前記直流電源部 19 からの電源を給断する充電スィツチ 26等とからなる。
[0016] 前記加工条件制御部 10は、 蓄電器 23- 1〜23- nの充電電圧値を検出 する電圧検出器 27と、 この電圧検出器 27で検出した充電電圧値と D Z A変換器 28からの出力値とを比較する電圧比較器 29と、 極間に放 電される電荷の電流値を検出する電流検出器 30と、 この電流検出器 30で検出した電流値のピーク値をホールドする電流ピ一クホールド 回路 31と、 この電流ピークホールド回路 31でホールドしたピーク電 流値と D Z A変換器 38の出力値とを比較する電流比較器 33と、 電極 2 とワーク 4 の極間電圧を検出する極間電圧検出器 34と、 この極間 電圧検出器 34で検出した極間電圧に基づいて、 その変化を判別する 電圧変化判別器 35と、 この電圧変化判別器 35と所定時間幅のパルス を発生するパルス発生器 38からの入力信号により前記各放電スィッ チ 25- l〜25-nに開閉駆動信号を出力するゲート回路 36と、 前記各蓄 電器 23-l〜23-nへ供給する充電電圧値を設定しその信号を D Z A変 換器 28に出力する充電電圧設定器 37と、 極間に流れる電流値を設定 しその信号を前記 D Z A変換器 32に出力する電流設定器 39と、 前記 各回路からの入力信号に基づき加工条件等を演算 ·処理する C P U 40等からなる。
[0017] 第 3図は、 この第 2図の概略構成図をさらに具体化した回路構成 図であり、 第 2図と同一部位には同一符号を付して説明する。
[0018] 前記直流電源部 19は、 変圧器 21の各コイル 21- 1〜21-3により所定 の電圧を降下させ、 各ダイォ一ド 22- 1〜22-3により整流して直流電 源を得て、 抵抗 41を介して出力する。
[0019] 前記放電スィツチ 25- 1 (放電スィツチ 25-1〜25- nは全て同一構成 であるため放電スィッチ 25-1についてのみ説明する) は、 5個のト ランジスタ 42 - 1〜46-1と、 6個の抵抗 47 - 1〜52-1と、 ダイオード 53 - 1とで構成し、 前記ゲ一ト回路 36の A N Dゲ一ト 54-1から入力され る開閉駆動信号により、 各トランジス夕 42 - 1 ~46-1を順次ォンし、 蓄電器 23 - 1の電荷を放電する。
[0020] なお、 前記蓄電器 23- 1は、 例えば静電容量が 0 . 2 2 F (ファラ ド) の 5個の蓄電器 23a 〜23e を並列接続して構成され、 これらを さらに並列接続して、 電源装置 8 全体としては、 1 0〜2 0 Fの静 電容量を有する。 この蓄電器 23-1には抵抗 55 - 1を並列接続する。 また、 前記充電スィッチ 26は、 放電スィッチ 25-1と略同様に、 5 個のトランジスタ 56〜60と、 7個の抵抗 61〜67と、 ダイオード 68と で構成し、 前記電圧比較器 29の出力により各トランジスタ 56〜60が オン♦オフして直流電源部 19からの電源を給断し、 各蓄電器 23~!〜 23-nを所定に充電する。
[0021] 前記電圧検出器 27は、 一端を接地したコンデンサ 69を有し、 この コンデンサ 69と並列に接続した 2つの直列抵抗 70, 71により分圧し て得た充電電圧値を出力する。 この電圧検出器 27の出力側は、 抵抗 72を介して電圧比較器 29の比較器 73の一方の入力側に接続する。 ま た、 比較器 73の他方の入力側は、 前記 D Z A変換器 28の出力側を抵 抗 74を介して接続する。 抵抗 72, 74と比較器 73との間には、 ダイォ ード 75, 76を接続する。 この比較器 73の出力側は、 前記抵抗 61を介 して充電スィツチ 26のトランジスタ 56のベースに接続する。
[0022] 前記電流検出器 30は、 電極 2 の接地側に抵抗 77を設け、 この抵抗 77の電極 2 側を抵抗 78を介して増幅器 79の一方の入力側に接続する と共に、 この増幅器 79の他方の入力側を抵抗 80を介して接地する。 この増幅器 79は、 出力側を前記抵抗 78を接続した入力側に抵抗 81を 介して接続すると共に、 出力側を増幅器 82の一方の入力側に接続す る。 この増幅器 82は、 他方の入力側を出力側に接続し、 出力側から 極間電流値を出力する。
[0023] 前記電流ピークホールド回路 31は、 前記電流検出器 30の増幅器 82 の出力側を増幅器 83の他方の入力側に接続すると共に、 この増幅器 83の一方の入力側をダイォ一ド 84を介して出力側に接続する。 また、 増幅器 83の一方の 力側は抵抗 85を介して増幅器 86の一方の入力側 と出力側にそれぞれ接続すると共に、 増幅器 83の出力側はダイォー ド 87を介して増幅器 86の他方の入力側に接続する。 前記増幅器 86の 他方の入力側はコンデンサ 88を介して接地し、 このコンデンサ 88の 両端にアナログスィツチ 89を接続する。 アナログスィツチ 89は前記 パルス発生器 38に接続する。
[0024] この電流ピークホールド回路 31は、 前記電流検出器 30で検出した 電流値のピーク値をホールド (保持) し、 この値を後述する電流比 較器 33に出力すると共に、 前記パルス発生器 38のリセッ トパルスに よりリセッ トされる。
[0025] 前記 Dノ A変換器 32の出力側と前記電流ピークホールド回路 31の 増幅器 86の出力側は、 それぞれ抵抗 90, 91を介して電流比較器 33の 比較器 92の入力側に接続すると共に、 各抵抗 90, 91と比較器 92との 間には、 それぞれダイオード 93, 94を接続する。 比較器 92の出力側 には抵抗 95を接続し、 この抵抗 95の一端を接地したダイォード 96に 接続すると共に、 前記 C P U 40の端子 97に接続する。 この端子 97の 信号により、 極間電流値が所定の電流値となるように制御される。 前記極間電圧検出器 34は、 電極 2 及びワーク 4 に、 直列接続した 2個のコイル 100 , 101 及び 102 , 103 と、 コンデンサ 104 , 105 とからなるノイズ力ッ ト用のフィルタを接続し、 コイル 103 は抵抗 106 を介して増幅器 107 の一方の入力側に接続する。 この増幅器 10 7 の他方の入力側には、 前記コイル 101 を抵抗 108 を介して接続す ると共に、 抵抗 109 を介して接地する。 また、 増幅器 107 の出力側 は、 抵抗 110 を介して一方の入力側に接続すると共に、 抵抗 111 を 介して増幅器 112 の一方の入力側に接続する。 増幅器 112 の他方の 入力側は抵抗 113 を介して接地すると共に、 その出力側は抵抗 114 を介して一方の入力側に接続し、 極間電圧を検出増幅して、 後述す る電圧変化判別器 35に出力する。
[0026] 前記ゲート回路 36は、 A N Dゲート54-l〜54-nを有し、 前記パル ス発生器 38及び電圧変化判別器 35からの信号によりオン ·オフする。 即ち、 前記パルス発生器 38の加工指令パルスのオン信号 (Hレべ ル) と前記電圧変化判別器 35のオン信号 (H ) とにより、 前記各蓄 電器 23-l〜23-nの電荷を放電側に所望に放電させるベく、 各 A N D ゲ一ト 54-l〜54-nがオンし、 放電スィツチ 25-1〜25 - nの各トランジ スタ 42-1〜42η をォンさせて各蓄電器 23-1〜23-ηを放電させると共 に、 パルス発生器 38または電圧変化判別器 35からの少なくとも一つ のオフ信号 (Lレベル) により、 前記各蓄電器 23-:!〜 23-ηの電荷の 放電を停止ざせるべく、 前記各 A N Dゲ一ト 54-l〜54-nがオフし、 各放電スィッチ 25- l〜25-nの各トランジス夕 42 - 1〜42 - πをオフさせ て各蓄電器 23-1〜23η の放電を停止させる。 この場合、 各 A N Dゲ 一ト 54-1〜54 - nの開閉制御は、 必要とする加工パルスの電流密度に 応じて、 パルス発生器 38により選択的に開閉制御することもできる。 なお、 第 3図中符号 115 は、 逆起電力によって放電スィッチ 25-1〜 25 - nが破壊するのを防止するダイォ一ドである。
[0027] 以上がこの発明を実施し得る電解仕上げ加工装置 1 の説明である。 次に、 この発明に係る基本的な原理について、 第 4図及び第 5図に 基づいて説明する。
[0028] 第 4図 (a ) は、 前記電解仕上げ加工装置 1 の電極 2 とワーク 4 との電極間隙を一定にし、 その極間に、 同図 (c ) に示すようなパ ルス幅 tの加工パルスを供給した場合の、 極間電圧の波形を実験に よって求めたものであり、 図中の波形ァ〜ェは、 極間が正常な安定 領域にある状態ァから、 前記充電電圧設定器 37の設定電圧を上昇, 即ち蓄電器^ 8-l〜23-nの充電電圧を上げた (充電電圧がァくィ <ゥ <ェの関係) 場合の波形である。
[0029] この図から極間電圧の変化を観察すると、 加工パルスのオンと同 時に極間電圧は上昇してピークに達し、 その後、 極間が正常な場合 (ァ) は単調に減少するが、 極間での加工状態が異常になる (電圧 を上昇させる) につれて極間電圧が振動的になり、 波形ェのように、 極間にアークが発生すると、 極間の電圧が異常に上昇して、 ピーク 値を大幅に越える現象が発生する。
[0030] この現象の原因としては、 次のことが考えられる。 即ち、 第 5図 の等価回路に示すように、 蓄電器 23, 放電スィッチ 25, 電極 2 及び ワーク 4 からなる回路中には、 配線が持つ抵抗 Rとインダクタンス Lが存在し、 蓄電器の充電電圧 V, と、 極間電圧 V 2 の関係は、 前 記電解仕上げ加工装置 1 による正常な電解仕上げ加工の場合、 実験 的に、
[0031] V i - 3 > V 2
[0032] となり、 極間が異常になると、 急激な電流変化が起こり、 配線のィ ンダクタンス Lにより極間電圧 V 2 が上昇する。 この時、 極間電圧 V2 は正常時の極間電圧に、 電流変化による L d i Z d i分が重畳 し、 アーク発生直前にはこの d i Z d tが大きく、 V 2 V 1に も達するため、 極間電圧 V 2 が急激に上昇することになる。
[0033] なお、 第 4図 (b ) は、 アークが発生した電圧波形ェに対応する 電流波形であるが、 この図から、 短絡に至るまでの経緯については、 次のことが推察される。
[0034] 即ち、 極間電流値が異常に低下するまでの図の Aが、 通常の加工 が行われる部分であり、 極間電流値が、 ピーク値から気泡や加工屑 等の発生により徐々に低下する。 そして、 気泡等の大量発生により、 極間が一時的に絶縁状態となって、 極間電流値が異常に低下し、 そ の後、 一旦絶縁状態が解消されて極間電流値が上昇するが、 極間が 極めて不安定な状態にあり、 再び極間が一時的に絶縁状態となつて、 極間電流値が異常低下して、 極間に放電現象 (アーク) が発生する。 このアークが発生する部分が図の Bである。 そして、 アークの発生 により、 電極 2 とワーク 4 が部分的に溶着 (短絡) し、 極間電流値 が異常に上昇する。 これが図の Cとなる。
[0035] なお、 実験によれば、 ワーク 4 に形成される放電痕の大きさは、 部分 Bの電気量の大きさに比例することが確認されている。 また、 第 4図は供給する加工パルスのパルス幅 tが 2 0 m s e cの場合を 示すが、 例えばパルス幅 tを 5 m s e cと短く した場合は、 第 6図 ( a ) , ( b ) に示す電圧及び電流波形となり、 極間電圧の異常上 昇現象及び極間電流値の異常低下現象は一度で、 アークが発生する ことが確認されている。 このように、 パルス幅 tの大小により極間電圧の波形形状に若干 の差異は認められるものの、 アークが発生して短絡に至る直前には、 必ず極間電圧が異常に上昇するとい-う現象が発生する。 この発明は、 実験によって得られたこの現象に着目し、 極間電圧の異常上昇現象 を検出することとにより、 アークの発生を予知し、 極間の短絡を未 然に防止するものである。
[0036] 次に、 この発明の第 1及び第 2実施例について、 第 7〜9図に基 づいて説明する。
[0037] 第 7図は、 前記電圧変化判別器 35を示し、 この電圧変化判別器 35 は、 ピークホールド回路 35a と、 比較回路 35b と、 ピーク通過記憶 回路 35c と、 遮断保持回路 35d と、 オフセッ ト加算回路 35e等から なる。
[0038] 前記ピークホールド回路 35a は、 前記極間電圧検出器 34の出力側 をアナログスィッチ 120 を介して接続した増幅器 121 と、 この増幅 器 121 の出力側をダイオード 122 と抵抗 123 を介して接続した増幅 器 124 を有し、 増幅器 121 の入力側は抵抗 125 を介して接地すると 共に、 他方の入力側はダイオード 122 の出力側に接続する。 また、 増幅器 124 の入力は、 コンデンサ 126 を介して接地し、 このコンデ ンサ 126 の両端には、 直列接続した抵抗 1 27 とアナログスィ ッチ 128 を接続すると共に、 増幅器 124 の他方の人力はその出力側に接
[0039] ¾C" る
[0040] また前記比較回路 35b は、 前記増幅器 124 の出力側が抵抗 129 を 介して一方の入力側に接続される比較器 130 を有し、 この比較器 130 の他方の入力側は抵抗 131 を介して後述する加算器 143 の出力 側に接続する。 また、 比較器 130 の出力側は抵抗 132 に接続し、 ダ ィォード 133 を介して接地する。
[0041] 前記ピーク通過記憶回路 35c は、 フリ ップフロップ (以下 F Fと いう) 134 有し、 この F F 134 のトリガー端子に前記比較器 130 の 出力側を抵抗 132 を介して接続する。 この F F 134 の出力端子 Qは ゲート 135 を介して前記アナログスィッチ 120 に接続すると共に、 他方の入力側が F F 134 のトリガー端子に接続された N A N Dゲー ト 136 の一方の入力側に接続する。 また、 F F 134 の D端子は抵抗 137 を介して電源にプルアップし、 S端子を接地すると共に、 R端 子はゲート 138 を介して前記パルス発生器 38に接続する。
[0042] 前記遮断保持回路 35d は、 F F 139 を有し、 この F F 139 のトリ ガー端子には前記 N A N Dゲート 136 の出力側が接続され、 その他 方の出力 は N A N Dゲート 140 の一方の入力側に接続する。 なお、 N A N Dゲート 140 の他方の入力側はパルス発生器 38に接続し、 そ の出力側はゲート 141 を介して前記ゲート回路 36に接続する。 図中 符号 142 は F F 139 を電源にプルアップするための抵抗である。 前記オフセッ ト加算回路 35e は、 加算器 143 を有し、 この加算器 143 の他方の入力側は、 抵抗 144 を介して前記極間電圧検出器 34に 接続すると共に、 抵抗 145 〜147 (但し、 抵抗 146 は一端を接地した 可変抵抗) を介して電源に接続する。 また、 加算器 143 の一方の入 力側は、 抵抗 U8 を介してその出力側に接続すると共に、 抵抗 149 を介して接地する。 なお、 前記アナログスィッチ 128 は前記ゲート 138 に接続する。
[0043] ここで、 この電圧変化判別器 35の動作について説明する。 まず、 パルス発生器 38から加工指令パルスが出力されると、 アナログスィ ツチ 128 , F F 134 , 139 のリセッ 卜状態が解除されてセッ ト状態 になると共に、 放電スィツチ 25-i ~ 25-nがオンして加工パルスが供 給され、 極間電圧検出器 34により極間電圧が検出される。 この極間 電圧は、 オフセッ ト加算回路 35e を介して比較回路 35b に入力され ると共に、 ピークホールド回路 35a に入力されて、 そのピーク値が ホールドされる。
[0044] 極間電圧が上昇してピーク値に達し、 オフセッ ト加算回路 35e を 通った極間電圧が、 ピークホールド回路 35a でホールドされている ピーク値以下になると、 比較器 130 の出力が反転 (L— H ) し、 F F13 のトリガ一端子にオン信号 (H) が入力されて、 該 F F134 をオン状態とし、 極間電圧のピークが過ぎたことを記憶すると共に、 F F13 の出力端子 Qのオン信号 (H) が、 ゲート 135 によってォ フ信号 (L) となって、 アナログスィッチ 120 をオフさせ、 ピーク ホールド回路 35aへの極間電圧検出器 34からの入力を禁止する。 極間の状態が正常で短絡の発生が無い場合は、 ピーク値以下の電 圧が加工パルスのパルス幅に相当する時間 tだけ検出され、 加工パ ルスのオフ後に極間電圧は◦ Vになるカ、 極間に異常が生じ、 極間 電圧が上昇してピーク値 VP (第 4図 a) 以上になると、 比較器 130 の出力が反転 (H→L) して、 F F134 をオフ状態とすると共に、 NANDゲート 136 の出力を反転 (L→H) させ、 F F 139 をオン させる。
[0045] この F F139 のオンにより、 その出力 からオフ信号 (L) が N ANDゲート 140 に入力され、 該 NANDゲート U0 の出力を反転 (L→H) させる。 この NANDゲート 140 のオン信号 (H) によ り、 ゲート 141 からオフ信号 (L) が出力され、 ゲート回路 36の各 ゲート 54 - 1〜54 - nがオフし、 放電スィッチ 25-:!〜 25-nをオフさせて、 加工パルスの供給を遮断する。 そして、 このオフ状態は、 パルス発 生器 38からのパルスが F F 139 のリセッ ト端子に入力されるまで保 持される。
[0046] なお、 この実施例における各ゲートは、 上記実施例に何ら限定さ れるものではなく、 適宜のゲ一トに使用できることはいうまでもな い。 また、 区分けした各回路を、 例えば一つの部品で構成する等、 適宜に変更し得るものである。
[0047] 次に、 上記の電圧変化判別器 35を使用した場台の電解仕上げ加工 方法の一例について、 第 8図のフローチヤ一卜に基づいて説明する。 仕上げ加工に際しては、 電極固定装置 3 のロッ ド 16の下端に、 ヮ ーク 4 を型彫放電加工する際に使用した電極 2 を、 またはワイヤー カツ ト放電加工した際の残材を電極 2 として固定すると共に、 ヮ一 ク固定装置 5 にワーク 4 をそれぞれ固定 (ステップ S 1) し、 電極 2 とワーク 4 の芯出し (ステップ S 2) 後に、 前記入力装置 13によ り、 ワーク 4 に関するデータ及び加工条件等のデータを入力 (ステ ップ S 3) する。
[0048] そして、 加工槽 15に硝酸ナトリウム等の電解液を供給 (ステップ S 4) すると共に、 電極 2 を初期電極間隙を維持する位置に設定
[0049] (ステップ S 5) して、 仕上げ加工の自動運転が開始されると、 間 隙 17の電解液が静止 (ステップ S 6) した状態 (電解液の流れ ·動 きがほぼ停止した状態をいう) で、 前記電源装置 8 から所定の加工 パルスを供給 (ステップ S 7) する。 そして、 この加工パルス供給 中の極間電圧が異常に上昇するか否かを判断 (ステップ S 8) する。
[0050] この判断 (ステップ S 8) は、 前述したように、 極間電圧検出器 34で検出した極間電圧に基づいて、 電圧変化判別器 35が行うもので あり、 極間電圧が異常に上昇した場合は、 加工パルスの供給を遮断
[0051] (ステップ S 9) する。
[0052] 前記加工パルスが供給されている間、 極間電圧の異常上昇現象が 検出されない場合は、 加工パルスがオフした後に、 電極 2 を上昇 (ステップ S 10) させると共に、 間隙 17に前記ノズル 18から電解 液の噴流を供給 (ステップ S 1 1 ) して、 加工パルスの供給により 生成した電解生成物等からなる加工屑を該間隙 17から排除する。 そ して、 電極 2 を下降 (ステップ S 12) させて、 加工回数が前記ス テツプ S 3で設定した回数か否かを判断 (ステップ S 13) し、 こ の判断 (ステップ S 13) で NOの場合は、 前記ステップ S 5へ戻 り、 初期電極間隙を設定した位置に電極 2 を再び設定 (したがって、 電極 2 の設定位置は常に同一位置であるため、 加工の進行により電 極間隙は大きくなる) し、 判断 (ステップ S 13) で YE Sの場合 は、 仕上げ加工を終了する。
[0053] このように、 この実施例にあっては、 加工パルス供給中のアーク 発生直前に起きる極間電圧の異常上昇現象を、 極間電圧がピーク値 V p 以上になったことにより検出し、 加工パルスの供給を遮断する ため、 第 9図に示すように、 アークが発生する B点の前で加工パル スの供給を遮断 (パルス幅 t ) することができ、 極間にピーク値 V p 以上の高電圧を供耠することがなく、 加工パルス供給中におけ る電極とワークの短絡発生を防止することができる。
[0054] したがって、 特に、 所定形状に加工されたワークと、 このワーク の加工面に倣った電極面を有する電極とにより、 電解液中で比較的 パルス幅の大きい、 例えば単一の加工パルスを供給して、 ワークを 仕上げ加工する電解仕上げ加工に使用した場合、 三次元等の所望形 状に加工した高価なワークを加工パルスの供給により焼損させるこ とがなく、 ワークを高精度かつ短時間に仕上げることができる。 ところで、 上記実施例においては、 極間電圧の異常上昇現象が例 えば第 4図に示すように、 2箇所以上発生する場合、 最初の異常上 昇現象において、 加工パルスの供給を遮断することになるが、 極間 電圧が異常上昇するということは、 極間に何らかの異常状態が生じ ているものと考えられ、 最初の異常上昇で早めに加工パルスを遮断 しても、 実質的に何ら問題はなく、 むしろ安全性が高くなることが 実験により確認されている。
[0055] なお、 上記実施例においては、 極間電圧の異常上昇を検出する基 準値をピーク値 V p としたが、 前記各回路の抵抗の定数の設定等に より、 基準値を V p 土 αとしたり、 V p X ySとすることもできる (但し、 な, は所定値) 。
[0056] 第 1 0 , 1 1図は、 この発明の第 2の実施例を示すものであり、 その特徴は、 加工パルス供給中の極間電圧の、 ピーク値以降のポト ム値を検出し、 このボトム値に基づいて極間電圧の異常上昇現象を 検出するようにした点にある。 以下、 第 7図と同一部位には同一符 号を付して説明する。
[0057] 第 1 0図に示す電圧変化判別器 35は、 前記のピークホールド回路 35a , 比較回路 35b , ピーク通過記憶回路 35c , 遮断保持回路 35d , オフセッ ト加算回路 35e (以上の各回路は第 7図と同一構成であるた め、 その説明は省略する。 ) の他に、 ボトムホールド回路 35 f と比 較回路 35g 等を有する。
[0058] このボトムホールド回路 35 f は、 オフセッ ト加算回路 35e の出力 側が、 アナログスィッチ 150 を介して一方の入力側に接続された增 幅器 151 と、 この増幅器 151 の出力側がダイオード 152 を介して一 方の入力側に接続された増幅器 153 を有する。 増幅器 151 の他方の 入力側はその出力側に接続する。 また、 増幅器 153 の他方の入力側 はその出力側に接続すると共に、 一方の入力側にはコンデンサ 154 を介して電源に接続する。 このコンデンサ 154 の両端には、 直列接 続した抵抗 155 とアナログスィッチ 1 56 を接続し、 アナログスイツ チ 156 は前記ゲート 138 に接続する。
[0059] また、 比較回路 35g は、 前記増幅器 153 の出力側に抵抗 157 を介 して一方の入力側に接続された比較器 158 を有し、 この比較器 158 の他方の入力側は、 抵抗 159 を介して前記オフセッ ト加算回路 35e の出力側に接続すると共に、 抵抗 1 60 を介してその出力側に接続す る。 比較器 158 の出力側は抵抗 161 を介して前記 N A N Dゲート 13 6 の一方の入力側に接続すると共に、 抵抗 161 はダイオード 162 を 介して接地する。 なお、 前記ボトムホールド回路 35 f のアナログス イッチ 150 は、 ピーク通過記憶回路 35c の F F 134 の一方の出力端 子 Qに接続する。 図中符号 163 は前記増幅器 151 の他方の入力側を 電源に接続する抵抗である。
[0060] この電圧変化判別器 35は、 次のように動作する。 即ち、 ピークホ —ルド回路 35a , 及び比較回路 35b により、 極間電圧のピーク値が 検出され、 ピーク通過記憶回路 35c でピークの通過が記憶, 即ち F F 13 がオン状態となると、 F F 134 のオン信号 (H ) により、 ァ ナログスィッチ 150 がオンし、 オフセッ ト加算回路 35e から極間電 圧がボトムホールド回路 35 f に入力される (この場合、 アナログス イッチ 120 はオフして、 ピークホールド回路 35a への入力は禁止さ れている) 。
[0061] そして、 ボトムホールド回路 35f でボトム値 V0 (第 1 1図参照) がホールドされ、 このボトム値 V0 とオフセッ ト加算回路 35e から の電圧, 即ち極間電圧が、 比較回路 35g で比較され、 極間電圧がボ トム値 Vo以上になった時に、 比較器 158 の出力が反転 (L→H) し、 NANDゲート 136 にオン信号 (H) を出力する。 NANDゲ 一ト 136 は、 このオン信号 (H) と F F134 の出力信号 (H) とに より、 出力が反転 (L→H) して、 F F139 をオン状態とし、 その 出力信号 Q (L) が N ANDゲート 140(L→H) , ゲート 141(H→ L) を介してゲート回路 36にオフ信号 (L) を出力し、 放電スイツ チ 25-l〜25-nをオフさせる。 そして、 このオフ状態は、 F F139 に リセッ トパルスが供給されるまで保持される。 なお、 前記 NAND ゲート 136 は、 比較回路 35g の出力のみでオン ·オフする構成とし てもよい。
[0062] このように、 この実施例にあっては、 極間電圧のピーク値以降の ボトム値 V0を検出し、 極間電圧とこのボトム値 V0 とを比較して、 極間電圧がボトム値 Vo以上になった時に、 加工パルスの供給を遮 断するため、 アークが発生する前の極間電圧の異常上昇現象の立ち 上がり時点を検出することができ、 より早い時点で加工パルスの供 給を遮断 (第 1 1図のパルス幅 t2 ) して、 ワークの焼損を防止す ることができる。 また、 異常検出から加工パルスの遮断に至るまで に、 回路的に時間遅れが発生したとしても、 極間電圧が異常に上昇 する前に加工パルスを遮断することができ、 ワークの焼損を確実に 防止することができる。 この実施例は、 ワーク 4 の加工面積が大き い場台に効果的である。 なお、 この実施例における基準値も、 第 1 実施例と同様、 ボトム値 V0に対して所定の幅を持たせることがで きることは言うまでもない。
[0063] 第 12〜14図は、 この発明の第 3実施例を示し、 その特徴は、 加工パルス供給中の極間電圧を、 前記蓄電器 23-l〜23-nの設定電圧 と比較し、 その比較結果に基づいて極間電圧の異常上昇現象を検出 するようにしたものである。 以下、 これに基づいて、 第 2図及び第 3図と同一部位には同一符号を付して説明する。
[0064] 第 1 2図において、 電圧変化判別器 35は、 極間電圧検出器 34で検 出した極間電圧と、 Dノ A変換器 28からの出力信号とを比較して、 その結果をゲート回路 36に出力する。 即ち、 前記充電電圧設定器 37 は蓄電器 23 - l〜23-nの充電電圧を設定するものであるが、 この設定 電圧を A変換した値と、 極間電圧検出器 34で検出した極間電圧 とを比較し、 極間電圧の異常上昇現象を検出するものである。
[0065] そして、 この電圧変化判别器 35は、 第 1 3図に示すように、 比較 器 170 の他方の入力側に抵抗 171 を介して極間電圧検出器 34の出力 側を接続し、 比較器 17ϋ の一方の入力側には抵抗 172 を介して一端 を接地した抵抗 173 と、 一端を前記 D Z A変換器 28に接続した抵抗 17 とを接続する。 この比較器 170 の出力側は、 抵抗 175 を介して F F 177 のトリガー端子に接铳すると共に、 トリガー端子はダイォ ード 176 を介して接地する。 F F 177 の一方の出力端子 はゲート 回路 36の各 A N Dゲート 54-1〜54- nの一方の入力側に接続する。 な お、 F F 177 の D端子は抵抗 178 を介して電源にプルアップし、 S 端子は接地、 R端子はパルス発生器 38に接続する。
[0066] この電圧変化判別器 35は、 極間電圧検出器 34で検出した電圧が、 充電電圧設定器 37で設定され D / A変換器 28で D A変換された電 圧以上になった時に、 比較器 170 の出力が反転 (L→H ) して F F 177 をオン状態とし、 その出力端子 からゲート回路 36にオフ信号
[0067] ( L ) を出力して、 各 A N Dゲート 54-1〜54 - nをオフし、 加工パル スの供給を遮断する。 そして、 この遮断状態は、 F F 177 によって、 該 F F 177 の R端子にリセッ トパルスが入力されるまで保持される。
[0068] このように、 この実施例にあっては、 極間電圧と蓄電器 23 -;!〜 23 - nの設定電圧 V t とを比較し、 極間電圧が設定電圧 V t 以上の時に、 放電スィッチ 25 - l〜25-nをオフして蓄電器 23-l〜23-nからの電荷の 供給を遮断 (第 1 4図参照) するため、 極間に蓄電器 23-1〜23- nの 設定電圧 V t 以上の高電圧を供耠することなく、 アーク発生直前に 起きる電圧の異常上昇現象を検出することができ、 短絡発生を未然 に防止することができる。 また、 電圧変化判別器 35は、 蓄電器 23 - 1 〜23-nの充電電圧を設定する充電電圧設定器 37の出力信号を利用す ることができ、 回路構成を簡略化することができる。
[0069] なお、 この発明における極間電圧の異常上昇現象を検出する手段 としては、 上記各実施例の電圧変化判別器の構成に何ら限定される ものではなく、 各実施例を組み合わせたり、 電圧の上昇現象を検出 できる他の適宜の判別器を使用することもできる。 また、 上記実施 例においては、 短絡予知を極間電圧の異常上昇現象のみを検出して 行ったが、 例えば、 極間電圧の異常上昇現象と相俟って発生する, 極間電流値の異常低下現象をも検出し、 この 2つの現象が同時に発 生した場合に、 加工パルスの供給を遮断して、 アークの発生を予知 するように構成してもよい。 さらに、 第 8図に示すフローチャート も一例であって、 他の電解仕上げ加工及び電解型彫り加工等に適用 できることは言うまでもない。
[0070] 第 1 5図はこの発明の第 4実施例が適用される電解加工装置の要 部を示す。 本実施例は電流の異常低下を検出するもので、 電流変化 判別器 35h を有する。 この電流変化判別器 35h は比較器 98を有し、 この比較器 98の一方の入力側には、 前記電流検出器 30の増幅器 82の 出力側を接続する。 また、 比較器 98の他方の入力側には前記ピーク ホールド回路 31の増幅器 86の出力側を抵抗 99を介して接続すると共 に、 抵抗 100 を介して接地する。 前記比較器 98の出力側は抵抗 101 を介して前記ゲ一ト回路 36の各 A N Dゲート 54-1 ~ 54-πの一方の入 力側に接続する。 なお、 抵抗 100 の抵抗値は抵抗 99の 2倍に設定す る
[0071] この電流変化判別器 35h は、 電流検出器 30で検出した極間電流値 i力く、 それまでに検出した極間電流値のピーク値 i P の 2 / 3にな つた時点で、 比較器 98の出力が反転 (H→L ) して、 ゲート回路 36 にオフ信号 (L ) を出力し、 放電スィッチ 25-1〜25 - nをオフさせる。 前記ゲ一ト回路 36の各 A N Dゲート 54-i〜54- nには、 前記電流変化 判別器 34とパルス発生器 35とを接続し、 この入力信号に基づいて、 前記各放電スィツチ 25- l〜25-nを開閉制御する。
[0072] 即ち、 前記パルス発生器 35の加工指令パルスのオン信号 (H ) と 前記電流変化判別器 35h のオン信号 (H ) とにより、 前記各蓄電器 23-l〜23-nの電荷を放電側に所望に放電させるベく、 各 A N Dゲー 卜 54- 1〜54 - nがォンし、 放電スィツチ 25 - 1〜25 - nの各トランジスタ 42 - l〜42-nを同時にもしくは選択的にォンさせて各蓄電器 23-1〜23 -ηを放電させると共に、 パルス発生器 35または電流変化判別器 35h からの少なくとも一つのオフ信号 (L ) により、 前記各蓄電器 23-1 ~ 23-πの電荷の放電を停止させるベく、 前記各 A N Dゲート 54 -丄〜 54-nがオフし、 各放電スィツチ 25-l〜25-nの各トランジスタ 42 - 1〜 42-nをオフさせて各蓄電器 23 - l ~ 23-nの放電を停止させる。 他の構 成は第 3図と同様である。
[0073] 第 1 6図に示すように、 短絡が発生する場台は、 極間電流値 iが 異常に低下する。 この波形から、 短絡に至るまでの経緯について、 次のことが推測される。
[0074] 即ち、 極間電流値 iが異常に低下するまでの図の A ' は、 通常の 加工が行われる部分で、 極間電流値 iはピーク値 i p から、 気泡や 加工屑等の発生により徐々に下がり、 気泡等の大量発生により、 極 間が一時的に絶縁状態となって、 極間電流値 iが異常に低下 (第 1 6図ォ) する。 この極間電流値 iの異常低下により、 極間電圧が異 常に上昇して、 放電現象 (アーク) が発生する。 これが図の B ' で ある。 そして、 アークの発生により、 電極 2 とワーク 4 が部分的に 溶着 (短絡) し、 極間電流値 iが異常に上昇する。 これが図の C ' となる。
[0075] なお、 パルス幅が大きい場合は、 極間電流値 iの異常低下現象が 2度発生することもある。
[0076] このように、 パルス幅の大小により、 極間電流値の波形形状に若 千の差異は認められるものの、 アークが発生して短絡に至る前に、 必ず極間電流が異常に低下するという現象が発生する。 第 4実施例 は極間電流値の異常低下現象を検出することにより、 アークの発生 を予知して、 極間の短絡を未然に防止するものである。
[0077] 次に、 このような短絡予知方法を適用した電解仕上げ加工方法の
[0078] —例について、 第 1 7図のフローチヤ一卜に基づいて説明する。 ス テツプ S 2 1から S 2 7までは第 8図と同様であるので、 説明を省 略する。
[0079] ステップ S 2 8で、 加工パルス供給中の極間電流値が異常に低下 するか否かを判断する。
[0080] この判断は、 前述した電流変化判別器 35h により、 加工パルス供 給中の極間電流値〖と、 前記電流検出器 30で検出され、 ピークホー ルド回路 31でホ一ルドされたピーク値 i p とを比較し、 極間電流値 iが、 ピーク値 i p の 2 Z 3以下の時に前記ゲ一ト回路 36に信号を 出力して加工パルスを遮断 (ステップ S 2 9 ) する。 なお、 この場 合の基準値となる i p X ( 2 / 3 ) は、 前記電流変化判別器 35h の 抵抗 99, 100 によって予め設定されるものであり、 基準値は適宜に 設定変更できる。
[0081] 前記加工パルスが供給されている間、 極間電流値の異常低下現象 が検出されず、 判断 (ステップ S 2 8 ) で N Oの場合は、 加工パル スがオフした後に、 電極 2 を上昇 (ステップ S 3 0 ) させると共に、 間隙 17に前記ノズル 18から清浄な電解液の噴流を供給 (ステップ S 3 1 ) して、 加工パルスの供給により生成した電解生成物等からな る加工屑を該間隙 17から排除する。 また、 これ以降のステップは第 8図と同様である。
[0082] なお、 ステップ S 2 9で加工パルスを遮断した場合は、 極間電流 値が異常低下した原因を除去した後に仕上げ加工を続行する。 このように、 この実施例によれば、 第 1 8図に示すように、 加工 パルス供給中の極間電流値 i力 ピーク値に基づく所定値, 例えば ピーク値 i p の 2 3以下の時に (第 1 8図の力点) 、 極間電流値 iの異常低下現象として検出し、 電流変化判別回路 35h からゲート 回路 36に信号を出力して、 放電スィツチ 25- l〜25-nをオフするため、 アーク発生の前に加工パルスの供給を遮断 (パルス幅 t 4 ) するこ とができて、 アークを発生させることがなく、 アークによる短絡を 未然に防止することができる。
[0083] 第 1 9〜2 1図は第 5実施例を示す。
[0084] 第 1 9図において、 前記第 1 5図と異なる点は、 電流変化判別器 351 が、 電流検出器 30からの入力信号のみにより極間電流値の変化 を判別するようにした点にある。
[0085] 即ち、 電流変化判別器 35i は、 第 2 0図に示すように、 前記検出 器 30の出力側を一方の入力側に接続し、 他方の入力側をその出力側 に接続した増幅器 110 と、 この増幅器 110 の出力側を直列接続した ダイオード 111 と抵抗 112 を介して一方の入力側に接続し、 他方の 入力側に電流検出器 30の出力側に接続した比較器 115 とを有し、 比 較器 115 の一方の入力側はコンデンサ 113 と抵抗 114 とで接地する。
[0086] この電流変化判別器 35i は、 前記電流検出器 30で検出した極間電 流値 i と、 前記コンデンサ 113 と抵抗 114 等で設定される電流値曲 線の電流値 i k とを比較することにより、 極間電流値 iの異常低下 現象を検出するが、 以下その作用について説明する。
[0087] 電流変化判別器 35i は、 前記増幅器 110 に入力された極間電流値 が、 そのピーク値 Pまでは、 第 2 1図 (a ) に示す波形キの如く立 ち上がるように、 前記抵抗 112 とコンデンサ 113 とを設定し、 また、 ピーク値 P以降の電流値の減衰曲線 (以下電流値曲線という) が、 同図の波形ケになる如くコンデンサ 113 と抵抗 114 とを設定する。 なお、 前記抵抗 1 U の抵抗値は抵抗 112 より十分大きく設定するが、 抵抗 112 は省略することもできる。 このように設定された電流変化判別器 35a において、 加工パルス が供給され、 前記電流検出器 30で極間電流値 iが検出されると、 そ の極間電流値 iは増幅器 110 と比較器 115 の他方の入力側にそれぞ れ入力される。 この増幅器 110 に入力された極間電流値 iは増幅さ れて、 前記波形キに示す電流値が比較器 115 の一方の入力側に入力 される。 そして、 極間電流値 iがピーク値 Pを通過すると、 前記コ ンデンサ 113 に充電された電荷が、 前記ダイオード 111 により逆流 が阻止されつつ、 抵抗 114 を介して放電される。 この放電により前 記波形ケに示す電流値曲線が得られ、 この曲線の電流値 i k と、 極 間電流値 iが比較器 115 で比較されることになる。
[0088] 極間電流値 iが電流値 i k より大きい, 即ち電流値曲線より上方 にある場合は、 比較器 115 の出力は Hレベルを維持する力《、 第 2 1 図のュ点以降のように、 極間電流値 iが低下し、 電流値 i k 以下に なると、 比較器 115 の出力が反転 (H→L ) して、 前記ゲート回路 36にオフ信号 (L ) を出力し、 放電スィッチ 25- 1〜25 - nをオフして 加工パルスを遮断 (パルス幅 t 5 ) する。
[0089] このように、 この実施例にあっては、 電流変化判別器 35 i により、 例えばピーク値以降の電流値曲線を予め設定し、 この電流値曲線の 電流値 i k と極間電流値 i とを比較して極間電流値 iの異常低下現 象を検出するため、 前記実施例と同様、 アーク発生の前に加工パル スの供給を遮断することができ、 アークによる短絡発生を未然に防 止することができる。
[0090] 第 2 2, 2 4図は第 6実施例を示し、 この実施例の特徴は、 ピ一 ク値以降の極間電流値の変化率が、 予め設定した所定値以上の時に、 極間電流値の異常低下現象として検出するようにした点にある。 電流変化判別器 180 は、 第 2 2図に示すように、 比較回路 135Aと 遮断保持回路 135Bとを有する。 比較回路 34A は、 増幅器 116 の一方 の入力側に前記電流検出器 30の出力側を接続し、 他方の入力側をそ の出力側に接続する。 この増幅器 116 の出力側は、 コンデンサ 117 と抵抗 118 を介して比較器 の一方の入力側に接続し、 コンデン サ 117 の出力側は抵抗 119 を介して、 また、 比較器 121 の一方の入 力側はダイオード 120 を介してそれぞれ接地する。 前記比較器 121 の他方の入力側は抵抗 122 を介して電源に接続すると共に、 抵抗 12 3 を介して接地する。 そして、 比較器 121 の出力側に抵抗 124 を接 続し、 ダイオード 125 を介して接地する。 なお、 抵抗 119 の抵抗値 は抵抗 118 に対して充分大きく設定する。
[0091] 前記遮断保持回路 135Bは F F 126 を有し、 この F F126 のトリガ 一端子に前記比較回路の出力側を接続し、 一方の出力 を ANDゲ ート 128 の一方の入力側に接続する。 F F126 の D端子は抵抗 127 を介して電源に接铳すると共に、 S端子を接地し、 リセッ ト端子 R はゲー ト 129 に接続する。 このゲート 129 は前記パルス発生器 38に 接続する。 また、 ANDゲート 128 の他方の入力側もパルス発生器 38に接続する。
[0092] 次に、 この電流変化判別器 180 の作用について、 第 23図を参照 して説明する。 第 23図 (A) 〜 (E) は、 電流変化判別器 35a の A〜E点の電流波形を示し、 (A) に示すような極間電流値 iが電 流検出器 30から入力されると、 前記比較器 121 の一方の入力側には、 図の (C) に示す電流値 i c が入力される。 そしてこの電流値 i c と、 抵抗 122 と 123 とで設定される基準電流値 Dとが比較器 121 で 比較され、 電流値 i c が基準電流値 D以上になった時に、 比較器 12 1 の出力が反転 (L→H、 図の E)
[0093] する。
[0094] そして、 この比較器 121 の H信号により、 F F126 がオン状態と なり、 その出力 Qからオフ信号 (L) が ANDゲート 128 に入力さ れ、 この ANDゲート 128 からオフ信号 (L) がゲート回路 36に出 力される。 これにより、 ゲート回路 36の各 ANDゲート 54 - 1〜54 - n がオフして、 放電スィッチ 25-1〜25- nをオフさせて、 加工パルスの 供給をパルス幅 t 6 で遮断 (図の F) する。 この遮断状態は、 F F 126 のリセッ ト端子 Rにリセッ トパルスが供給されるまで、 保持さ れる
[0095] このように、 この実施例にあっては、 コンデンサ 117 と抵抗 119 の時定数で決まる所定時間内に、 極間電流 i力 抵抗 122 と抵抗 12 3 とで決まる所定値 D以上変化したか否か、 即ち、 極間電流値の変 化率が所定値以上の時に、 異常低下現象として検出するものであり、 極間電流値の急激な変化を検出することができる。 したがって、 異 常低下現象の開始時点を検出することができ、 アーク発生のより早 い時点で加工パルスの供給を遮断するため、 各回路等に時間的な遅 れがあっても、 アークが発生する前に、 加工パルスの供給を確実に 遮断することができる。
[0096] 第 2 4図はこの発明の第 7実施例の電圧変化判別器 235 を示す。 また、 他の構成は第 3図と同じである。 この電圧変化判別器 235 は、 ピークホールド回路 235a, 第 1比較回路 235b, ピーク通過記憶回路 235c, 遮断回路 235d, オフセッ ト加算回路 235e, 基準電圧回路 235f, 第 2比較器 235g等からなる。
[0097] 前記ピークホールド回路 235aは、 第 3図の極間電圧検出器 34の出 力側をアナログスィツチ 241 を介して一方の入力側に接続した増幅 器 242 と、 この増幅器 242 の出力側をダイオード 243 と抵抗 244 を 介して一方の入力側に接続した増幅器 245 を有し、 増幅器 242 の一 方の入力側は抵抗 246 を介して接地すると共に、 他方の入力側はダ ィオード 243 の出力側に接続する。 また、 増幅器 245 の一方の入力 側は、 コンデンサ 247 を介して接地し、 このコンデンサ 247 の両端 に、 直列接続した抵抗 248 とアナログスィッチ 249 を接続すると共 に、 増幅器 245 の他方の入力側をその出力側に接続する。 なお、 ァ ナログスィッチ 249 はゲート 280 に接続する。
[0098] また前記第 1比較回路 235bは、 前記増幅器 245 の出力側が抵抗 250 を介して一方の入力側に接銃される比較器 251 を有し、 この比 較器 251 の他方の入力側は抵抗 252 を介して後述する加算器 265 の 出力側に接続する。 また、 比較器 251 の一方の出力側は抵抗 253 を 介してその出力側に接続すると共に、 出力側には抵抗 254 を接続し、 ダイォード 255 を介して接地する。
[0099] 前記ピーク通過記億回路 235cは、 F F 256 を有し、 この F F 256 のトリガー端子に前記比較器 251 の出力側を抵抗 254 を介して接続 する。 この F F 256 のトリガー端子は、 コンデンサ 257 を介して接 地すると共に、 ゲート 258 を介して前記アナログスィッチ 241 に接 続する。 また、 F F 256 のトリガー端子は、 ゲート 259 の一方の入 力側に接続し、 このゲート 259 の他方の入力側には F F 256 の一方 の出力 Qを接続する。 F F 256 の D端子は抵抗 260 を介して電源に プルアップし、 S端子を接地すると共に、 R端子はゲート 280 を介 して第 3図のパルス発生器 38に接続する。
[0100] 前記遮断回路 235dは F F 261 を有し、 この F F 261 のトリガ一端 子には前記ゲート 259 の出力側を接続すると共に、 コンデンサ 262 を介して接地する。 また、 F F 261 の他方の出力 は、 その出力側 が端子 281 に接続されたゲート 264 の一方の入力側に接続する。 な お、 ゲート 264 の他方の入力側は後述する前記第 2比較回路 235gに 接続する。 図中符号 263 は F F 261 を電源にプルアップするための 抵抗である。
[0101] 前記オフセッ 卜加算回路 235eは、 加算器 265 を有し、 この加算器 265 の他方の入力側は、 抵抗 266 を介して前記極間電圧検出器 34に 接続すると共に、 抵抗 267 〜269 (但し抵抗 268 は一端を接地した 可変抵抗) を介して電源に接続する。 また、 加算器 265 の他方の入 力側は、 抵抗 270 を介してその出力側に接続すると共に、 抵抗 271 を介して接地する。
[0102] 前記基準電圧回路 235fは、 一方の入力側をその出力側に接続した 増幅器 272 を有し、 この増幅器 272 の他方の入力側に可変抵抗 273 を接続する。 可変抵抗 273 の両端には端子 277 , 278 にそれぞれ接 続された抵抗 274 , 275 を接続する。 また、 端子 277 , 278 間には コンデンサ 276 を接続する。
[0103] 前記第 2比較器 253gは、 比較器 279 を有し、 この比較器 279 の一 方の入力側に前記基準電圧回路 235fの増幅器 272 の出力側を接続し、 他方の入力側には、 前記ピークホールド回路 235aの増幅器 245 の出 力側を接続する。 そして、 この比較器 279 の出力側は、 前記遮断回 路 235dのゲート 264 の他方の入力側に接铳する。
[0104] 次に、 電圧変化判別器 235 の動作について説明する。
[0105] パルス発生器 38から加工指令パルスが出力されると、 アナログス イッチ 249 , F F 256 , 261 のリセッ ト状態が解除されてセッ ト状 態になると共に、 放電スィツチ 25-1〜 25- nがオンして加工パルスが 供給され、 極間電圧検出器 34により極間電圧が検出される。 この極 間電圧は、 オフセッ ト加算回路 235eを介して第 1比較回路 235bに入 力されると共に、 ピークホールド回路 235aに入力されて、 そのピー ク値がホールドされる。
[0106] 極間電圧が上昇してピーク値 V p に達し、 オフセッ ト加算回路 23 5eを通った極間電圧が、 ピークホールド回路 235aでホールドされて いるピーク値 V p 以下になると、 比較器 251 の出力が反転 (L— H ) し、 F F 256 のトリガ一端子にオン信号 (H ) が入力されて、 該 F F 256 をオン状態とし、 極間電圧のピークが過ぎたことを記憶する と共に、 比較器 251 の反転信号 (H ) がゲート 258 でオフ信号 (L ) となって、 アナログスィッチ 241 をオフさせ、 ピークホールド回路 235aへの極間電圧検出器 34からの入力を禁止する。
[0107] 極間の状態が正常で短絡の発生が無い場合は、 ピーク値 V p 以下 の電圧が加工パルスのパルス幅に相当する時間 tだけ検出され、 加 ェパルスのオフ後に極間電圧は◦ Vになるが、 極間に異常が発生し、 極間電圧が上昇してピーク値 V p以上になると、 比較器 251 の出力 が反転 (H→L ) して、 F F 256 をオフ状態とすると共に、 ゲート 259 の出力を反転 (L→H ) させ、 F F 261 をオンさせる。 この F F 261 のオンにより、 その出力 からオフ信号 (L ) がゲート 284 に入力され、 該ゲ一ト 264 の出力を反転 (L→H ) させる。
[0108] このゲート 264 のオン信号 (H ) が端子 281 からゲート回路 36に 入力され、 該ゲート回路 36の各ゲ一ト 54- 1〜54 - πがオフし、 放電ス ィッチ 25-:!〜 25- nをオフさせて、 加工パルスの供給をパルス幅 t 7 でもって遮断する。 そして、 このオフ状態は、 パルス発生器 38から のパルスが F F 261 のリセッ ト端子に入力されるまで保持される。 以上が、 ピーク値 V p 以降の極間電圧の異常上昇現象を検出する 動作である。
[0109] 次に、 第 2 5図に示すように、 極間電圧がピ一ク値 V p に達する 以前に、 何らかの原因により、 極間電圧が異常に上昇した場合、 前 記電圧変化判別器 235 は次のように動作する。
[0110] 即ち、 前記基準電圧回路 235 fの端子 277 , 278 を蓄電器 23- 1〜 23-nに接続し、 該基準電圧回路 235 Πこよって、 蓄電器 23-l〜23-nの 充電電圧値 V c を検出する。 そして、 この電圧値 V c と、 前記ピー クホールド回路 235aで検出される電圧値 V p (徐々に上昇していく 値) とを第 2比較回路 235gで比較し、 V p ≥ V c になった時点 (第 2 5図のサ点) で、 比較器 279 の出力が反転 (L→H ) し、 前記遮 断回路 235dのゲート 264 をオンさせ、 前述したと同様に、 加工パル スをパルス幅 t 7 でもって遮断する。
[0111] このように、 上記実施例にあっては、 極間電圧がピーク値 V P を 過ぎてから異常上昇した場合は、 この現象をピークホールド回路 23 5 a, 第 2比較器 235b, ピーク通過記憶回路 235c等からなる第 1の検 出回路によって検出して、 遮断回路 235dで加工パルスの供給を遮断 する。 また、 極間電圧がピーク値 V p に達する以前に異常上昇した 場合は、 基準電圧回路 235f, 第 2比較回路 235g等からなる第 2の検 出回路によってこの現象を検出し、 遮断回路 235dによつて加工パル スの供給を遮断する。
[0112] したがって、 極間電圧のピーク値 V P 以降のアーク発生直前の異 常上昇現象と、 ピーク値 V p 以前の異常上昇現象とを検出でき、 加 ェパルス供給中におけるアーク発生等を予知し得て、 例えば三次元 の所望形状に加工されたワーク, 電極等の焼損を防止することがで きる。 また、 第 1及び第 2の検出回路が並列使用されるため、 第 1 の検出回路の故障時にも、 第 2の検出回路によって、 極間電圧が蓄 電器 28-l〜23-nの充電電圧以上になるのを防止することができ、 極 間への異常電圧の供給を確実に防止することができる。
[0113] なお、 上記実施例においては、 基準電圧回路 235fで蓄電器 23-1〜 23-nの充電電圧値を検出したが、 この発明はこれに何ら限定されず、 予め所定の基準電圧を設定するようにしてもよい。 産業上の利用可能性
[0114] この発明は上述の通りに構成したので、 次に記載する効果を奏す 短絡の前兆であるアーク発生を予知することができ、 アークの発 生による短絡を未然に防ぎ、 短絡によるワークの焼損等を防止する ことができる。
[0115] したがって、 特に電解仕上げ加工に使用した場合、 三次元等の所 望形状に加工した高価なワークを焼損させることなく、 ワークを短 時間かつ高精度に仕上げることができる。
[0116] 検出する極間電圧 (電流) とそのピーク値とを比較して、 極間電 圧 (電流) の異常上昇 (低下) 現象を検出するため、 例えば極間電 圧がピーク値を越える直前で加工パルスの供給を遮断することがで き、 アーク発生を早い時点で予知することができて、 アーク発生に よる短絡を未然に防止し得る。
权利要求:
Claims 請求の範囲
(1) . 電解液中で所定間隔で対設した電極とワークとの極間に加工 パルスを供給してワークを電解加工するものにおいて、
前記加工パルス供給中の、 極間電気エネルギーの要素の異常変化 を検出すること、
この検出に基づいて前記加工パルスの供給を遮断すること、 よりなる電解加工における短絡予知方法。
(2) . 請求項(1) の短絡予知方法において、 電気エネルギーの要素 の異常変化が電圧の異常上昇であることを特徴とする電解加工にお ける短絡予知方法。
(3) . 請求項(1) の短絡予知方法において、 電気エネルギーの要素 の異常変化が電流の異常低下であることを特徴とする電解加工にお ける短絡予知方法。
(4) . 請求項(2) の短絡予知方法において、 前記極間電圧の異常上 昇現象を検出するステツプが、
前記加工パルス供給中の極間電圧を検出するステップと、 このピーク値と前記極間電圧とを比較するステップと、 を具備する電解加工における短絡予知方法。
(5) . 請求項(2) の短絡予知方法において、 前記極間電圧の異常上 昇現象を検出するステップが、
前記加工パルス供給中の極間電圧を検出するステップと、 この極間電圧のピーク値以降のボトム値を検出するステップと、 このボトム値と前記極間電圧とを比較するステップと、 を具備する電解加工における短絡予知方法。
(6) . 電解液中で所定間隔で対設した電極とワークとの極間に、 蓄 電器の電荷の放電による加工パルスを供給してワークを電解加工す るものにおいて、
前記蓄電器の充電電圧を設定するステップと、 前記 ¾0ェパルス供耠中の極間電圧を検出するステップと、 この極間電圧と前記蓄電器の設定電圧とを比較し、 その比較結果 に基づいて加工パルスの供給を遮断するステツプと、
を具備する電解加工における短絡予知方法。
(7) . 請求項(3) の短絡予知方法において、 前記極間電流の異常低 下現象を検出するステツプが、
前記加工パルス供給中の極間電流値を検出するステップと、 前記加工パルスの立ち上がり直後の極間電流値のピーク値を検出 するステップと、
このピーク値に基づいて定まる所定値と、 該ピーク値以降の極間 電流値とを比較するステップと、
を具備する電解加工における短絡予知方法。
(8) . 請求項(3) の短絡予知方法において、 前記極間電流の異常低 下現象を検出するステップが、
前記加工パルス供給中の極間電流値を検出するステップと、 この極間電流値のピーク値と、 予め設定した所定の電流値曲線の 電流値とを比較するステップと、
を具備する電解加工における短絡予知方法。
(9) . 請求項(3) の短絡予知方法において、 前記極間電流の異常低 下現象を検出するステツプが、
前記加工パルス供給中の極間電流値を検出するステツプと、 前記加工パルスの立ち上がり直後の極間電流値のピーク値を検出 するステップと、
このピーク値以降の極間電流値の変化率を検出して基準値と比較 するステツプと、
を具備する電解加工における短絡予知方法。
(10) . ワークと、 このワークの加工面に倣った電極面を有する電極 とを、 電解液中で所定間隔で対設させ、 その極間に加工パルスを供 耠してワークを電解加工する装置において、 前記極間の電圧を検出する極間電圧検出回路と、
この極間電圧検出回路で検出した極間電圧の、 ピーク値を検出す ると共にそのピーク値以降の異常上昇現象を検出する第 1の検出回 路と、
前記極間電圧と所定の基準電圧とを比較し、 極間電圧の異常上昇 現象を検出する第 2の検出回路と、
前記第 1及び第 2の検出回路の少なくとも一方からの信号により、 前記加工パルスの供給を遮断する遮断回路と、
を具備する電解加工装置の異常検出回路。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
US2979639A|1961-04-11|Pilot pulse spark machining methods and apparatus
JP5040312B2|2012-10-03|放電加工用電源装置及び放電加工方法
US6461405B2|2002-10-08|Method of operating an electrostatic precipitator
JP5037941B2|2012-10-03|ワイヤ放電加工装置およびワイヤ放電加工方法
US3894210A|1975-07-08|Methods and apparatus for alternating-current arc welding
US7038158B2|2006-05-02|Wire electrical discharge machining apparatus
CN102248235B|2013-12-04|电火花线切割加工间隙放电状态检测装置与方法
US20070051714A1|2007-03-08|Method and system for reducing spatter in short circuit transition procedure for gas-shielding welding
WO1994022629A1|1994-10-13|Plasma arc torch ignition circuit and method
US4798929A|1989-01-17|Wire electric discharge machining apparatus
US3443358A|1969-05-13|Precipitator voltage control
TW528634B|2003-04-21|Power device for wire discharge processing apparatus
Kao et al.2008|Fuzzy logic control of microhole electrical discharge machining
CH688544A5|1997-11-14|Funkenerosionsmaschine.
US3594299A|1971-07-20|Apparatus for electrical machining of metallic workpieces
JPWO2003106088A1|2005-10-27|ワイヤ放電加工機の加工電源装置
US3655937A|1972-04-11|Arrangement of at least two non-storage pulse generators for electro-erosion machining
US5143586A|1992-09-01|Electrochemical machining process and equipment
JP5739563B2|2015-06-24|平均放電遅れ時間算出手段を備えたワイヤ放電加工機
EP2402101B1|2016-02-24|Power supply apparatus for die-sinking electric discharge
CN100445007C|2008-12-24|用于放电加工的方法和发生器
EP0661100B1|1996-11-06|Electric dust collector
US4004123A|1977-01-18|Method of and system for the controlling of an apparatus for the electric discharge machining of a workpiece
CN100503113C|2009-06-24|用于放电加工的方法和发生器
CN100534687C|2009-09-02|用于放电加工的方法和发生器
同族专利:
公开号 | 公开日
EP0422248A4|1992-07-08|
KR930011210B1|1993-11-29|
EP0422248A1|1991-04-17|
KR920700087A|1992-02-19|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1990-10-18| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): KR US |
1990-10-18| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): CH DE FR GB IT |
1990-12-10| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 1990906334 Country of ref document: EP |
1991-04-17| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1990906334 Country of ref document: EP |
1994-05-23| WWR| Wipo information: refused in national office|Ref document number: 1990906334 Country of ref document: EP |
1994-08-23| WWW| Wipo information: withdrawn in national office|Ref document number: 1990906334 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
JP1092713A|JPH02274422A|1989-04-12|1989-04-12|Foreknowing method for short circuit in electrochemical machining|
JP1/92713||1989-04-12||
JP1/95652||1989-04-14||
JP1095652A|JPH02274421A|1989-04-14|1989-04-14|Foreknowing method for short circuit in electrochemical machining|
JP1/175315||1989-07-06||
JP1175315A|JPH0343119A|1989-07-06|1989-07-06|Abnormality detection circuit for electrolysis finishing processing device|KR9072605A| KR930011210B1|1989-04-12|1990-12-12|전해가공에 있어서의 단락예지방법 및 장치|
US08/069,674| US5294308A|1989-04-12|1993-06-01|Method of predicting a short circuit in an electrolytic finishing system|
[返回顶部]